ブラック企業による過労死や長時間労働、そして理不尽なパワハラや職場いじめといった問題がたびたびマスコミなどに取り上げられるようになった昨今ではありますが、中には自分の勤めている会社がブラック企業だという自覚が一切なく、低賃金で毎日のように長時間働いている人も少なくありません。
人間というのは、たとえブラック企業であろうと、その環境に耐えているうちにそれが当たり前の日常になってしまうもので、気づいたら原因不明の体調不良や情緒不安定に陥ってしまうケースもあるようです。
また、自分が勤務している会社をブラック企業認定したくないという心理が働くと、気づかぬうちに労働の対価だけでなく、人生の貴重な時間を搾取されてしまう危険性があります。
事前にブラック企業とはどのような特徴を持つ会社なのかをきちんと理解しておくことで、自分の働いている会社をいつでも冷静に判断できる態勢を整えておくことが重要です。
この記事を読むことによって、再度、ご自身が勤務する会社の環境を冷静に見直すきっかけにしていただけたらと思います。
ブラック企業の特徴をきちんと把握していれば、就職や転職においても正確な判断ができるようになりますからね。
ブラック企業の主な特徴!こんな会社はヤバイ?
悲しいことに日本には数多くのブラック企業があります。
厚生労働省やブラック企業ユニオンが公開しているブラック企業リストに社名が掲載されている会社は数百にも登りますし、以下の記事で取り上げたブラック企業マップにも多数の企業が記載されている現状が、それを物語っていますよね?
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ブラック企業リストの活用方法
昨今では、過労死や長時間労働などブラック企業が社会的にも問題視されるようになって、厚生労働省も労働基準法に違反する企業の会社名をブラック企業リストとして公開しています。 ブラック企業リストには、誰もが ...
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誰もが知っている有名企業から地域の中小企業まで、ブラック企業は会社の規模を問いません。
そして、ブラック企業と呼ばれる会社には、共通する特徴があったりします。
ブラック企業の主な特徴
- 長時間労働を強いられる
- 休日が少ない
- 休憩時間や休日返上を迫られる
- 薄給
- 残業前提
- 残業代が全額支払われない
- 離職率が高い
- 即採用だったり、入社自体はしやすい
- 社長や上司、目上の人の言うことは絶対
- パワハラ・モラハラ・セクハラなどのハラスメント行為
- 根性論や精神論重視の教育
- 自分の意見を言い難い雰囲気
- 会社を辞められない仕組み(ペナルティや報復のほのめかし)
- 一般的ではない独自のルール
ブラック企業の主な特徴について挙げてみましたが、大きく分けて以下の3つが常識的に考えて不健全だという印象を受けます。
- 労働時間
- 上下関係
- 労働環境・条件(給与や手当も含む)
こういった劣悪な職場で毎日長時間働いていると、肉体的にも精神的にも負担は重くなるため、やがて我慢の限界に達してしまうと体調を崩したり、うつ病を発症する危険が高まるというわけです。
過労死という最悪な結果を招いてしまう危険性もあるので、ブラック企業は社会的にも問題視されています。
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求人情報はあてにならない?
ブラック企業の特徴のひとつとして採用されやすいというものがありますが、その理由は離職率が高いからです。
離職率が高いというのもブラック企業の特徴に含まれていますよね?
入社してからハードな労働環境に耐えきれず、中には体調不良や精神疾患で退職したり、突然逃げるように出勤しなくなったり、上司と揉めて会社を辞めたりする人もいるでしょう。
離職率が高く従業員が流動的な企業が人材を確保するには、採用のハードルを低く設定する必要性が出てくるということです。
採用のハードルを低く設定するために手っ取り早いのは、求人情報に応募しやすいキャッチコピーを使うことです。
とくに以下のような言葉が多用されている求人案内には注意したほうがいいかも知れません。
ブラック企業の求人情報で使われやすい言葉
- やりがいのある仕事
- アットホームな職場の雰囲気
- 仲間たちと一緒に夢を叶える
- 情熱を注げる仕事
上記の言葉は、ブラック企業の特徴でもある「精神論や根性論重視の教育」がベースにあったりします。
このような漠然としたフレーズが目立つだけで、具体的な業務内容や給与、福利厚生などについて詳しい情報が記載されていない求人には気をつけましょう!
また、やたらと高収入を謳った求人についても、提示されている給与に残業代が含まれている場合もあるので警戒したほうがいいかも知れません。
基本給は最低賃金ギリギリなのに、あえてそれを求人情報には記載せずに限界まで残業した時の金額を給与として提示している企業もあるようです。
仕事を探す際に「なんとなく魅力的で、お給料も良さそうだから…」という単純な理由で飛びつくのは危険だということです。
求人情報はすべてを鵜呑みにはせず、具体的な情報を意識して見るようにしましょう。
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ブラック企業は入社しやすいけど辞めにくい
ブラック企業の大きな特徴は、低賃金で長時間労働を強いられ、目上の人間に力で支配される構造だったりするわけですが、さすがにこの状況だと離職率が高くなるのも当然ですよね?
しかし、すぐには退職せず、たとえ劣悪な労働環境であっても限界まで我慢して働けなくなる状態まで追い詰められて辞めるという人も少なくありません。
つまりは、入社はしやすいけれど、なかなか会社を辞め難いというのもブラック企業の特徴のひとつだということです。
まさに「入り口はあっても出口がない」というのがブラック企業の構造だったりします。
よくニュースなどのメディアで「若者を使い捨てるブラック企業」と言われるのは、入社しやすくても力によって恐怖で支配し、低賃金の長時間労働でボロボロになるまでこき使うという手口が「使い捨て」という表現にピッタリだからかも知れませんね?
そうならないためにも、出口のないブラック企業を辞める時は退職代行サービスを利用することをオススメします。
退職代行サービスを使えば、直接顔を合わせて上司に「辞めます」と言わなくても済みますし、会社に行く必要も一切ないので、どんなに辞め難いブラック企業も簡単に退職できますからね。
ブラック企業の対処法として押さえておくべき知識とは?
ブラック企業に限らず、どんな会社も求人を見て応募したら、採用のステップとして面接があったりします。
いくらブラック企業は採用条件が甘く、入社しやすいといっても、会社側にとって都合の悪い人間は採用したくないものです。
しかし、ブラック企業にとって都合の悪い人間とは、いったいどんな人でしょうか?
ブラック企業というのは、労働基準法に抵触しているか、もしくは違法スレスレの状態でグレーゾーンを攻めているわけなので、家族や親族に法律関係者がいたり、労働基準法にそこそこ詳しい人を入社させてしまうと内部告発のリスクが生じるため、都合が悪くなります。
別に法律の専門家である必要はないのでご安心ください。
最低限ではありますが、書籍などで労働法の基礎知識は事前に得ておいたほうがよいでしょう。
また、面接時に以下についての具体的な返答を求めた質問をいくつかしてみると効果的かも知れません。
- 1ヶ月の労働時間や残業時間について
- 最低賃金・基本給・残業代について
- 雇用契約について
- 労働組合について
ブラック企業の対処法として、身につけておくべき基礎知識については厚生労働省が公開している「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」が参考になります。