ブラック企業の特徴のひとつとして、根性論や精神論重視の教育というものが挙げられますが、こういった旧態依然とした価値観は主に研修や朝礼などで植え付けられるケースが多いため、注意が必要です。
ブラック企業の特徴を把握していないと、漠然とした根性論や精神論を潜在意識に刷り込まれてしまう危険もあるので気をつけましょう。
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ブラック企業の特徴
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この記事を読むことで、これまでとくに何も疑うことなく参加していた研修や朝礼のあり方について再考してみるのも悪くないと思います。
健全な企業でも研修や朝礼などで社訓を叩き込まれるケースはありますが、ブラック企業の場合はそれが過剰だったりしますからね。
社訓がどのように扱われているか?
ブラック企業に限らず、その他の企業でも社訓というものには会社への忠誠を促す要素が少なからず含まれていることは否定できません。
社訓だけでその会社がブラック企業かホワイト企業かを判断するのは難しいといえるでしょう。
表層的な情報だけでブラック企業かどうかを判断するのは非常に難しいですが、研修や朝礼などで社訓がどのように扱われるかに注目することで見分けがつくようになります。
そのためには、ブラック企業の見分け方について必要最低限知っておきましょう。
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ブラック企業の場合、やたらと根性論や精神論を強く主張してくるといった特徴があったりします。
とくに研修においては、閉鎖された空間で社訓を唱和させられたり、自己啓発セミナーのようなどこか怪しげな雰囲気を醸し出しているケースもあるようですからね。
ブラック企業の社員教育の目的
ブラック企業の社員教育が、根性論や精神論を全面に打ち出している理由は次のとおりだと考えられます。
- 劣悪な労働環境や上司の理不尽な要求に耐えてもらうため
- 自分を犠牲にしてまで会社に尽くす自己犠牲こそ評価されるという価値観を植え付けるため
- どんなにつらくても我慢していれば必ず報われるという価値観を植え付けるため
- 会社に貢献しない人間は裏切り者という価値観を植え付けるため
- みんなが我慢しているから自分も我慢しなければいけないという価値観を植え付けるため
- たとえ違法な労働を強いられていたとしても、それに耐えている自分は素晴らしいという価値観を植え付けるため
- 会社への貢献こそが生きる喜びだという価値観を植え付けるため
- 仕事=人生という価値観を植え付けるため
上記はいずれも会社にとって都合の良い価値観を持った従業員を育てることを目的としているように思えますよね?
たとえば、自分の中では明らかにおかしいと思っていることであっても、他の従業員が我慢しているのであれば、理不尽にも耐えるべきだと主張する人がいたとします。
しかし、それは会社にとって都合の良い人間として気づかぬうちに洗脳されている可能性が考えられます。
また、よくブラック企業からホワイト企業に転職してきた人の多くが、新しい職場で残業がないと罪悪感を覚えるというような話を聞きますが、このケースも前職で「残業して当たり前」という価値観を植え付けられている可能性が高いわけです。
ブラック企業の定義が曖昧だからこそ、何も知らずに入社してしまうと極端な価値観を植え付けられる危険があるので気をつけたいところですね?
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ブラック企業にとって社員教育とは、まさに都合の良い従順な奴隷のような人間を育てることが目的といっても過言ではありません。
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ブラック企業による洗脳の方法
ちょっと極端な例もありますが、ブラック企業による従業員を洗脳する手口には次のようなものが挙げられます。
- 社訓を何度も暗唱・唱和させることで徹底的に叩き込む
- 人前で怒鳴られたり、罵声を浴びせられたりして自己否定させる
- 情報が遮断された狭い空間で会社の方針にコミットさせる
- 会社に貢献することが素晴らしいと錯覚させて、低賃金&長時間労働を正当化
- 根性論を正当化することで、会社を辞めたり、ストレスで離脱する従業員を弱い人間として認識させる
- 礼儀として上下関係を徹底することで「上の言うことは絶対」という価値観を刷り込む
- 登山やマラソンなどで体力を消耗させることで正常な判断力を奪う
上記は、新人研修などで行われます。
とくに社会人経験がほとんどない新入社員は気をつけたほうがよいでしょう。
また、職場でいじめられるタイプの人は弱みにつけ込まれる危険もあるのでご注意ください。
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とくに新卒者は会社の新人研修に注意?
これから社会に出る新卒者というのは、どうしても社会人経験が少なく、純粋無垢だったりするので、ブラック企業に取り込まれてしまう危険性が高かったりするものです。
ブラック企業側としても、中途採用よりも社会人経験が乏しく、ピュアでフレッシュな状態の新卒者は洗脳しやすいですからね。
あえて新卒を大量採用することで、まだ世の中の仕組みがよくわかっていない若者を狙うブラック企業もあるようです。
とくに体育会系男子は、精神論や根性論重視で上下関係を重んじるブラック企業の体制にもわりと抵抗なく馴染めたりするようなので、気をつけたほうがいいですね。
フレッシュな新卒しか参加しないオリエンテーション合宿では、情報が遮断された閉鎖的な空間で社訓を叩き込まれたり、登山やマラソンなどで正常な判断力を奪われやすい条件が揃っているので注意しましょう。
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毎日の朝礼で潜在意識への刷り込み?
ブラック企業でなくても、毎日朝礼で社訓を復唱させられたり、従業員同士で目標を共有することはありますが、ブラック企業の場合、その目的は従業員が会社にとって都合の良い従順な人間でいてもらうためだったりします。
毎朝、同じ社訓を繰り返し復唱することで、その言葉は潜在意識に刷り込まれます。
完璧なまでに社歌の歌詞を覚えていたり、社訓を暗唱できる人は気をつけたほうがいいかも知れません。
たとえ、最初は疑っていたとしても会社にとって都合の良い社訓が潜在意識に植え付けられると、いつの間にかそれが習慣化され、自分の中で会社の方針が常識となっていくものです。
先ほどブラック企業からホワイト企業に転職した人が、残業しないことに罪悪感を覚えるという話をしましたが、この場合もいつの間にかブラック企業の洗脳によって常識が書き換えられた一例でもあるといえるでしょう。
いつの間にか植え付けられている価値観
自然と自分の職場では常識化されていることってありますよね?
誰に教わったか自分でもよくわからないけど、それが当たり前になっているみたいな風習です。
- 上司の命令は絶対
- サービス残業は当たり前
- ノルマが達成できない人間は無価値
- 始発で出勤、終電まで仕事が当たり前
ブラック企業で働く人たちにとっては、上記で挙げた価値観が常識化されているケースも少なくないようです。
こういった価値観というのは、会社の研修や朝礼を通じて洗脳されたほかの従業員の働き方などによって職場内で常識化される傾向にあります。
「なぜ上司の言うことは絶対なのか?」
「なぜサービス残業が当たり前なのか?」
「なぜノルマが達成できない人間は無価値なのか?」
「なぜ始発で出勤して終電まで仕事をするのが当たり前なのか?」
ひとつひとつ自分に問いかけてみると、「職場のみんながそう信じて疑わないから」という答えが浮かび上がってきます。
要はよくわからないけれど、いつの間にかそれが当たり前になっているということです。
よくよく冷静に考えてみると、これらはいずれも精神論や根性論を重視したブラック企業の教育(洗脳)によるものだったりすることに気がつくでしょう。
次に該当する人は気をつけたほうがいいかも知れません。
こんなふうに思っている人は注意?
- 残業せずに定時で帰宅するのはどこか気がひける
- 休憩時間・休日を返上してまでノルマを達成しないとヤバイと思う
- 仕事において自分を責める傾向が強い
- 上司の指示がないと何もできない
- ストレスとか体調不良は甘えだと思う
- 社長や上司とすれ違うだけで緊張する
- 自分を無理にでもポジティブに持っていこうとする
- 自分の勤務先をブラック企業認定したくない
上記に該当する場合は、一度、自分の職場を客観的に見つめ直したほうがいいかも知れませんね?
また、こういった傾向はブラック企業を辞めない人たちにも同じことがいえます。
もし心当たりがあるようでしたら、合わせて以下の関連記事も参考にしてみてください。
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もし自分が務めている職場がブラック企業で、できることなら今すぐ辞めたいけれど、なかなかそういうわけにも行かない場合は、退職代行サービスを利用すれば嫌な上司と顔を合わすことなく簡単に辞めることができます。
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