職場いじめや嫌がらせといった被害を受けた経験のある人なら一度や二度はこんなことを考えたことがあるでしょう。
- パワハラ上司に反撃したい!
- 陰湿な同僚に仕返ししたい!
- いつも喧嘩を売ってくる先輩社員をボコボコにしたい!
- 自分と同じ痛みをいじめの加害者たちにも思い知らせてやりたい!
しかし、会社での自分の立場や人間関係のシガラミもあって、実際に仕返しをする人は少ないのが現状だったりします。
とくに職場でいじめられやすいタイプの人ほど臆病な傾向が強いというのもあるでしょう。
「結局、立場の弱い人間は泣き寝入りするしかないのか…」と悔しい思いをしている人も結構いるのではないかと思います。
- 高圧的で傲慢な態度
- 恫喝まがいの行きすぎた指導
- 不当な扱い
- 陰湿な嫌がらせ
- 精神をチクチクと痛めつける刺々しい言葉の数々
なんとかして職場でのいじめに反撃できないものでしょうか?
「このままいつまでもヤラレっ放しで終わりたくない!」という人は、この記事を最後までお読みいただくことで、理不尽な職場いじめに対する効果的な仕返しの方法について参考にしてみてはいかがでしょうか?
職場いじめにおいて間違った反撃の仕方は犯罪行為?
当然ですが、職場でいじめに耐えているとストレスが鬱積されていきます。
そして鬱積したストレスが爆発しそうになると、いじめの加害者に対して怒りを行動で示したくなるわけなんですが、ある程度までは爆発しないように理性でコントロールすることが可能です。
しかし、我慢の限界を超えると爆発してしまう人もいるでしょう。
これがいわゆるブチ切れという現象なんですけどね…。
自分でも抑えがきかなくなって、気がついたら目の前のいじめ加害者をボコボコにしていたという事例は、たまにニュースなどで「会社員が上司に暴行!」といった内容の見出しで取り上げられたりすることもあります。
上司による高圧的な態度、精神を削るような無神経な言葉、不当な扱いなどをずっと我慢してきた本人にとっては、いじめの仕返しをしたつもりでしょうけど、やはり暴力で反撃するのは良くありません。
最悪の場合、暴行罪や傷害罪といった罪に問われますからね。
職場いじめというのは、もちろん加害者側が悪い場合がほとんどですけど、実際に暴力で仕返しをしてしまったら一瞬で立場が逆転して自分が加害者になってしまうということです。
以下のような仕返しは、たとえいじめる側に原因があったとしても暴行罪(刑法第208条)に問われます。
- 相手に対して殴る・蹴るなどの暴力を振るう
- 武器を使って相手を攻撃する
- 水や液体などをかける
- ものを投げつける
水や液体をかけたり、ものを投げつけた場合は、相手に命中せずに空振りしても暴行罪に問われるので注意してください。
暴行罪については刑法第208条で以下のように定められています。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
引用元:e-Gov刑法第208条
また、暴行によって相手にケガを負わせてしまった場合は、傷害罪(刑法第204条)に問われます。
傷害罪(刑法第204条)については以下のとおりです。
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:e-Gov刑法第204条
職場いじめに対する仕返しとはいえ、暴力でやり返すというのは犯罪です。
最悪、逮捕される危険があるのでリスクしかありません。
仕返しの方法を間違えると、余計に自分が不利な状況に立たされるので気をつけてください。
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言い返すことによって嫌がらせやいじめがエスカレートする場合もある
職場いじめに対して暴力で反撃したら逮捕されるリスクがあるけれど、言い返す分には問題ないだろうと考える人もいるのではないかと思います。
たしかに相手の人格を完全否定したり、差別的な暴言を吐かないなど、発言に気をつけて言い返せば、逮捕されるリスクはないかも知れません。
- 理不尽な要求や価値観の押しつけ
- デリカシーのない発言
- 人を傷つける無神経な言葉の数々
- たとえ正論であってもどこか攻撃的で問題のある伝え方
- 何度もしつこく繰り返すネチネチした小言
最初は我慢していても上記のような言葉を毎日浴びせられていると、思わず「いい加減にしてください!」と言い返したくなりますよね?
しかし、会社内で自分よりも上の立場で権限のある人の発言に対して感情的に言い返す場合においては、いじめや嫌がらせをさらにエスカレートさせてしまうキッカケにもなり得るので注意が必要です。
とくに部下に対して高圧的で傲慢な上司というのは、プライドだけは人一倍高かったりしますからね。
こういう人間に対して下手に言い返すと、相手は会社内で自分よりも立場の低い部下に口答えされたと思って、さらにいじめがエスカレートする危険性があるということも頭に入れておいたほうが良いでしょう。
言い返す場合は、物腰やわらかく、時には冗談めいた表現で「コイツはちょっとだけ扱いにくいかも知れないな…」という印象を与える程度にしておいたほうがいいかも知れません。
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本気で職場いじめと戦う場合は法律を盾にやり返す
職場でのいじめや嫌がらせは、状況によっては法に触れる可能性があったりします。
たとえば以下のような場合です。
- 人格を完全否定されるような暴言によって精神的苦痛を受けたら名誉毀損罪(刑法第230条)
- 事実を摘示することなく公然と評価を下げるような発言をされたら侮辱罪(刑法第231条)
- 義務のないことをするように強要されたり、上司である立場を悪用して恫喝されたら脅迫罪(刑法第222条)
もちろん、部下の指導とはいっても暴力的な行為は暴行罪や傷害罪に問われます。
本気で職場いじめと戦うのであれば、こういった相手の言動に違法性がないかどうかを見極めて、少しでも法に触れる可能性があれば証拠を押さえておくことでやり返します。
なので、いじめの加害者との会話は、その都度ICレコーダーやスマホの録音機能を使って記録しておくと良いでしょう。
状況によっては動画を撮っておくというのも有効です。
また、いじめ加害者とのメールやLINEでのやり取り、SNSなどで確認できる問題のある書き込みは、スクリーンショットを保存しておきます。
さらに嫌がらせやいじめを受けた際には、具体的にどのようなことをされて、どう感じたのかを書き留めておくとそれも証拠として使えます。
ある程度、証拠が集まったら弁護士事務所に相談しましょう。
初回相談無料の弁護士事務所もあります。
実際にいじめの加害者に対して賠償請求するかどうかは、弁護士さんと相談して決めてください。
弁護士事務所以外にも職場いじめの相談先はいくつかあるので、利用してみるのも良いでしょう。
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正攻法ではありますが、法律を盾に反撃するのが職場いじめの仕返しとしては効果的だったりします。
時間と労力を無駄に消耗するなら戦わずして去る
正当なやり方で職場いじめと戦う場合、とにかく時間と労力を要します。
証拠集めに追われている間にも、やるべき仕事というのはこなさなければなりません。
とくに仕事が多忙な時期というのは、時間的にも余裕がなかったりするものです。
また、法律を盾にいじめの加害者を追い込んで賠償請求したとしても、状況によっては納得できる賠償金を得ることができない可能性もあります。
金額の問題ではなかったりもしますが、納得のいく結果が得られなかった場合は、これまでに費やした時間と労力が無駄になることもあるということです。
その後、加害者側から謝罪があって職場でのいじめがピタリと止んでも、実際に自分をいじめていた人間と良好な関係になるのは難しかったりします。
自分の貴重な時間や労力を使って何も得られないような仕返しをするのであれば、そんな会社は見限って今よりも働きやすい職場を新たに探したほうが堅実です。
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劣悪な環境に身を置いて本領発揮できない職場で仕事を続けるよりも、思い切って環境を変えたほうが可能性は広がりますからね。
わざわざギスギスした狭い人間関係に固着する必要なんてありません。
ただし、いじめで会社を辞める場合は、「こんなひどい会社なんて、こっちから辞めてやるよ!」という気持ちが強いため、勢いと感情に任せてしまうと新たなトラブルに発展する危険があります。
そういった場合は、いじめ加害者や上司とは一切顔を合わさず即日退職も可能な退職代行サービスを利用したほうがいいかも知れません。
時間と労力を無駄に消耗するなら、あえて職場いじめと戦わず、新たな可能性のために会社を去るという選択肢も人によっては有効です。
転職活動の第一歩!
退職するのであれば、いずれは次の仕事を考えることになります。
転職活動の第一歩としては、まずはリクナビNEXTに登録しておけば良いでしょう。
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いずれにしても職場いじめに対して反撃するのであれば、時間と労力を費やしてでもやり返す価値があるのかどうかを考えたほうが良いでしょう。
一番の仕返しはいじめ加害者が手の届かない領域に到達すること
職場でのいじめにおいて加害者側というのは、以下のような負の感情を抱いているケースが多いといえます。
- 強い嫉妬心
- 劣等感(コンプレックス)
- 歪んだ自己愛
- 無駄に高いプライド
- 他者を陥れることによって得られる醜い優越感
いじめる側の人間にとって、ターゲットが自分よりも優位に立つことは気に食わないでしょう。
だからこそ嫌がらせをして足を引っ張ったり、精神的にダメージを与えようとするわけですが、そういった行為はいじめのターゲットが手の届く範囲にいるからできることだったりします。
つまり、加害者が手の届かないところに行けば、いじめられることもなくなるといった考え方もできますよね?
手の届かないところというのは、物理的な距離だけでなく、精神的な面も含まれます。
物理的にいじめの加害者と距離を取るには、先ほども触れたように会社を辞めるという選択肢も有効です。
精神面の距離については、仕事で大きな功績を残して相手を見返してやるというのがシンプルでわかりやすいと思います。
物理的にも精神面でも相手が手を伸ばしても届かない領域に到達すれば、当然、いじめの加害者は強い嫉妬心や劣等感に苛まれることでしょう。
しかし、かつて職場でいじめのターゲットにしていた人間は、とっくに自分よりも大きな存在になっているという現実を目の当たりにして、相手は自分の不甲斐なさに失望するかも知れません。
実は、職場いじめにおいて一番の仕返しは、加害者が手を伸ばしても届かない領域に自分が到達することです。
さらにいうと、いじめ加害者よりも幸せになるということです。