職場いじめといっても、その内容は多種多様です。
職場いじめの内容は、主に次の要素の組み合わせによって変わるため、被害者と加害者それぞれの立場や状況によって対処法も異なります。
- 社内での自分が置かれている立場
- 相手の立場
- お互いの関係性
そして、自分の立場と相手の立場、そしてお互いの関係性によって職場いじめのパターンは、次に示す5つに分類される場合がほとんどではないでしょうか?
職場いじめのパターン
- 上司や先輩によるいじめ
- 同じ立場である同僚によるいじめ
- 部下や後輩によるいじめ
- 会社内での集団によるいじめ
- 社外の人間によるいじめ
もちろん例外はありますが、職場いじめの内容は、上記のパターンのいずれかに該当する場合が多いので、まずは自分(被害者)と相手(加害者)の立場や状況、そして関係性を見直す必要があるということです。
もし現在、職場でいじめや嫌がらせを受けているのであれば、適切な対処ができるように先ほど挙げた5つのパターンを参考にしてみてください。
上司や先輩によるいじめの内容
上司や先輩というのは、会社内では自分よりも立場が上です。
自分よりも立場が上である上司や先輩から受けるいじめや嫌がらせといえば、パワーハラスメントが圧倒的だと考えられます。
具体的ないじめの内容をいくつか挙げてみると、次のような行為があります。
- 暴言・恫喝
- 無視
- 仕事外し
- 威圧的な態度や言動
- 人格否定
- 手柄の横取り
- 無理な仕事の押しつけ
- 理不尽な要求・強制
- 悪意をもって評価を下げる
- 新人いじめ
上司による暴言については、職場いじめの過去の事例を見ても圧倒的に多いようです。
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また、無視についてはコミュニケーション以外にも業務に大きな支障をきたす場合もありますし、自身のアイデンティティ・クライシスにもつながる可能性もあるので問題は深刻です。
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仕事外しについては、過去にこんな事例もあるので参考にしてみてください。
とくに自分よりも上の立場の人間からいじめを受けやすいタイプの人は、気をつけてください。
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いずれにしても、自分よりも立場の弱い人間をいじめるというのは卑劣な行為に変わりありません。
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同じ立場である同僚によるいじめの内容
会社内でも同期入社や同僚というのは、お互い共通点もあり、仲間意識が高かったりします。
しかし、仲間といっても馬が合わない人もいて当然ですし、お互い競争相手というライバル関係だというのを忘れてはいけません。
表向きは仲良くしていても、裏ではどうかわからないという人もいますからね。
立場の同じ同僚によるいじめについては、以下のようなものが挙げられます。
- 悪口・陰口
- 事実無根の噂を流す
- 仲間外れ
- 無視
- 揚げ足取り
- 上司に事実無根の報告をして印象を悪くさせたり、評価を下げる
- 見えないところで足を引っ張る(業務妨害)
悪口や陰口は、同僚の場合、面と向かって言うことはほとんどなかったりします。
同僚による職場いじめについては、表向きは仲良く振る舞っていて、本人がいないところで陰湿な嫌がらせをする場合が多いようです。
また、細かいミスや揚げ足取りによって、相手の評価を下げようと画策しようとする場合もあります。
同僚から嫌がらせを受けやすい人は気をつけてください。
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部下や後輩によるいじめの内容
部下や後輩によるいじめや嫌がらせの多くは、本人の気づかないところで密かに起こります。
部下や後輩というのは、どうしても会社内での立場が自分よりも下なので、あからさまに嫌がらせをすると不利になるリスクがありますからね。
なので、当然、いじめの内容も陰険さが目立つようになります。
たとえば、次のような嫌がらせですね。
- バカにされる
- 悪口・陰口
- 事実無根の噂を流される
- パワハラ被害の捏造
- 社外にまで良からぬ噂を流される
バカにされたり、悪口や陰口を叩かれるのは相手の立場に関係なくよくあることですが、噂話の類はタチが悪い場合も多いです。
事実無根の噂を流されて会社内での評価が悪くなったり、ネット上での発言や書き込みなどで個人情報が特定されたり、拡散してしまうといった恐怖、そして取引先の人にまで事実無根の噂が広がると仕事や私生活においても実害を被る危険がありますからね。
またパワハラ被害を捏造されて騒動が大きくなると、たとえそれが事実ではなくても会社に居づらくなる人も当然いるでしょう。
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会社内の集団によるいじめとは?
職場いじめに限らず、いじめの中でももっとも悪質といっていいのは集団によるいじめではないでしょうか?
相手の立場がどうであれ、集団というのは性質上、共通の敵を作ると団結する傾向にあるため、集団によるいじめはもっとも危険です。
タチが悪いと感じるのは、いじめ加害者側が一方的な正義感を理由に行為に及んでいる場合だったりします。
加害者側の言い分としては、自分たちは正しいと思っていたりしますからね。
パターンとしては、いじめ加害者側に中心となる人物がいて周囲を巻き込んで集団化するケースが多いと思われます。
たとえば、上司によるいじめが先輩社員や同僚、部下を巻き込んでエスカレートしていくといった場合、いじめの内容は先ほど挙げたものと変わりません。
ただし、上司・先輩・同僚・部下・後輩といった複数の立場の人たちから同時に嫌がらせを受けるのでダメージも大きくなります。
確率的には低いとは思いますが、会社ぐるみの嫌がらせとなると、次にような危険も生じます。
- 不当な配置転換
- 給与が不当に減らされる
- 休みを取られてもらえない
- 退職に追い込まれる
もちろん、上記のような嫌がらせは法に触れる可能性がありますが、うまく調整して違法行為にならないように工作されてしまう可能性もないとはいえません。
会社ぐるみでのいじめとなると、個人では対処のしようがなかったりします。
こういったケースは一般企業ではほぼないとは思いますが、同族経営の小さな会社などでは起こり得る話かも知れません。
社外の人間によるいじめ
職場いじめは、社内だけで起こるわけではありません。
取引先や関係先の人と関わっていると、以下のような嫌がらせを受けることもあります。
- ノルマにつけ込まれた不当な取引
- 理不尽な要求
- セクハラまがいの行為
- ネット上での誹謗中傷
- 侮辱的な言葉を浴びせられる
- 自分には一切非がなくても嘘の報告を会社にされる
とくにノルマが厳しい営業職に就いている人は、相手先に弱みを握られてしまうと、上記のような嫌がらせを受ける可能性も考えられますからね。
また女性の場合は、プライベートな誘いに注意しましょう。
あと、ネット上で誹謗中傷の書き込みをされるケースもあるようです。
個人的には過去に匿名掲示板に「株式会社○○の営業△△は最低な人間」といった書き込みを目にしたことがあります。
こういった悪意のある書き込みは、関係者によるものも多いようです。
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職場によって受けるダメージは主に3つ!
職場いじめの内容もパターンによって変わるというのは、ご理解いただけたと思います。
これまで5つのパターンについて言及してきましたが、いじれも職場いじめによって受けるダメージは主に次の3つです。
- 精神的苦痛
- 肉体的苦痛
- 不利益を被る
上記についてそれぞれかんたんに説明してみましょう。
精神的苦痛を受ける主な嫌がらせ
- 暴言・恫喝
- 人格否定
- 強要や強制
- 無視
- モノへの八つ当たり
上記の内容は、いずれも精神を圧迫し、強いストレスの原因となります。
精神的苦痛が蓄積されると、突如、体調不良に見舞われたり、うつ病を発症して無気力状態に陥ってしまう場合も多いので危険です。
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肉体的苦痛を受ける主な行為
- 暴力行為
- 業務の安全が配慮されていない危険な仕事の強要
- 無理な勤務体制の強制
- セクハラ行為
上記の内容は、犯罪行為も含まれており、状況によってはケガや命の危険にもつながります。
いじめ加害者にとっては、軽い嫌がらせだと思っていても、取り返しのつかない大事故を起こす危険があるということです。
いじめ加害者の多くは感覚が麻痺しているせいか、ターゲットの健康状態や現状を考慮することができなくなっているため、平然と危険な仕事を強要してきたり、安全配慮義務を怠る可能性も考えられます。
不利益を被る場合
職場いじめは、精神的苦痛や肉体的苦痛を受けると同時に不利益を被る場合も多いです。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
- 理不尽な人事異動・配置転換
- 不当な降格・降給
- 有給休暇の拒否
- 成果の横取り
- 仕事外し
- 経費の負担を強要
- プライベートへの干渉
上記によって被る不利益は、金銭的なものだけではありません。
もちろん、このような意図的に相手に対して不利益を与えるような嫌がらせ行為には、違法なものも含まれています。
しかし、何かしら理由をつけて正当化されてしまうケースもあったりするので注意が必要です。
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いじめの種類によって対処の仕方も変わる
最初にも触れたとおり、職場いじめといっても多種多様なので、対処の仕方もパターンによって微妙に異なります。
社内の人間によるいじめや嫌がらせについては、まず信頼できる人に相談するというのがかんたんです。
しかし、上司に相談する際にはきちんと相手を見極める必要があります。
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上司だからといって、適切な対応ができるわけではないと思っていたほうがいいかも知れません。
また、いじめ加害者が上司・先輩・同僚・部下・後輩のいずれかの場合、最初は会社内に設置された相談窓口を訪ねてみることをおすすめします。
会社内の相談窓口で職場いじめや嫌がらせが解決しそうもなければ、その他の窓口に相談しましょう。
職場いじめの相談先については以下の記事でくわしく触れています。
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集団によるいじめを受けている場合は、企業側の管理体制に問題があり、社内で違法行為が横行している可能性も十分考えられるので、弁護士事務所に相談したほうが良かったりします。
取引先や関係先の人間による嫌がらせについては、まずは上司に報告して支持を仰ぎましょう。
下手に単独行動を起こすと事態が悪化する可能性もありますし、上司にまったく報告がないというのは、さらなるトラブルの火種にもなりかねませんからね。
法的処置を取るかどうかは、会社側や上司と相談して決めるといった感じになる場合がほとんどでしょう。
最後にどうあがいても職場いじめが解決するという希望がもてない場合について触れておきますが、人間関係のシガラミなどでどうにもならない状況だったら、いっそのこと会社を辞めて新たな可能性を探すしかないかも知れません。
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この先、職場いじめに耐え続けて苦しい思いをするよりも、そんな会社は辞めてしまって新たに自分の可能性を活かせるような仕事を探したほうが長期的に考えると良い場合も多いですからね。
転職活動の第一歩!
退職するのであれば、いずれは次の仕事を考えることになります。
転職活動の第一歩としては、まずはリクナビNEXTに登録しておけば良いでしょう。
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面倒なシガラミがあるなら、退職代行サービスを利用すれば良いでしょう。
解決困難な状況にいつまでも身を置いて心身ともに消耗し続けるよりも、時間を有効に使うことを優先したほうが自分のためにもなりますからね。