職場でのいじめ対策はできていますか?
職場でのいじめや嫌がらせは、立場や状況によってもさまざまです。
かんたんには解決するのが難しい場合も当然あります。
しかし、適切な対策を取ることでいじめや嫌がらせを未然に防いだり、就労環境を改善することは十分可能です。
職場でのいじめは人それぞれ置かれている立場や状況によってもその内容は変わってきますが、個人でできる対策は主に次のパターンに分類されます。
- いじめられないための回避策
(いじめられそうな状況) - いじめられてしまった場合の対処法
(いじめや嫌がらせを受けている状況) - いじめや嫌がらせが解決しなかった時の最終手段
(どうあがいてもいじめが解決する見込みのない状況)
上記については職場いじめの内容に関係なく、現在の状況によって取るべき対策は明確です。
また、職場いじめにおいて絶対にやってはいけない対策というのも、頭に入れておかないと取り返しのつかない事態に陥ってしまう危険もあるのでご注意ください。
- 職場でいじめられないかどうか心配な人
- すでに職場いじめや嫌がらせに苦しんでいる人
- 自分なりにできることは一通りやったけど、一向に職場いじめが解決しない人
- 職場で孤立しながら理不尽ないじめに耐え続けている人
現在、上記のような状況に陥っているのであれば、この記事をお読みいただくことで職場いじめから脱却するヒントを探してみてください。
苦しい状況にいると、落ち着いて物事を考えることができなくなってしまうこともあると思いますが、今は少しだけ心を落ち着かせて自分の現状と向き合ってみてはいかがでしょうか?
やってはいけない職場いじめ対策とは?
職場いじめの具体的な対策について説明する前に、まず共通認識として覚えておいてほしいのは、やってはいけない対策です。
やってはいけない職場いじめ対策は、主に以下のとおりです。
やってはいけない職場いじめ対策
- 暴力でやり返す
- 無断欠勤
- ひとりで黙って耐え続ける
- 家族や友人などに愚痴を言うだけで何も行動しない
上記の間違った対策について、もう少しくわしく触れていこうと思います。
さらにくわしく知りたい場合は、合わせて関連記事も参考にしてみてください。
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暴力で職場いじめを撃退するという間違った対策
職場いじめに対して暴力で反撃するのは、もっともやってはいけないことだったりします。
場合によっては、取り返しのつかない事態になるのでくれぐれも気をつけてください。
暴力でやり返すのがいけないのは当たり前ですが、毎日、陰湿な嫌がらせや理不尽ないじめにあっていると精神が圧迫されて、正常な思考が働かなくなる危険もありますからね。
人間は我慢の限界を超えると、わけのわからない状態に陥って、とんでもない行動に出たりするものです。
職場いじめに対してどうしてもやり返したいという気持ちがあるようでしたら、以下の関連記事を参考にしてみてください。
実際にいじめ加害者に対して暴力で反撃したらどうなるかについても触れています。
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上記の関連記事を読めば、正しい仕返しの仕方がわかることでしょう。
無断欠勤がおすすめできない理由
会社にいる間はずっといじめられる日々を送っていると、ある日の朝、衝動的に休みたくなったりすることが度々あります。
会社を休むとなると当然、上司に連絡しなければいけないわけですが、責められたり、嫌味を言われるのは怖いですよね?
しかし、無断欠勤はやめたほうがいいです。
たとえ理由が会社でのいじめだったとしても、無断欠勤はデメリットが多すぎます。
実際に無断欠勤をするとどんなデメリットがあるのかについては、以下の関連記事でくわしく触れているので、合わせてお読みいただけたらと思います。
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ひとりで黙っていじめに耐えるのはよくないこと?
職場いじめは耐えるしかないと思っている人もわりといるようです。
いじめの内容にもよりますが、多少の嫌がらせレベルだったら、黙って耐えたほうが変に波風も立たないので無難だと考える人も世の中にはいますからね。
- 周囲の仕事仲間たちに余計な心配をかけたくない
- 言い返したら、もっといじめがエスカレートするかも知れないから黙って耐える
- ここで自分が騒いだら社内で噂になって面倒なことが起こるかも知れないから黙っている
- さらに仕事がやりにくくなったら嫌だから我慢するしかない
- 怖くて抵抗できないから黙って耐えるしか術がない
上記のように考える人の多くは、職場でいじめられるタイプだったりします。
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たしかに我慢の限界さえ超えなければ、黙っていることでその場をやり過ごすことはできるでしょう。
しかし、いつか限界が来ますし、黙っていじめに耐えているだけでは何も現状は変わりません。
その場しのぎに過ぎないわけです。
さらに言ってしまうと「黙って耐える」というのは、対策でも何でもありませんからね。
少し厳しいかも知れませんが、職場でいじめにあっている現状を自ら見て見ぬふりして何も手を打たないというのは、対策とは呼べないでしょう。
職場いじめはひとりで抱え込む問題ではありません。
家族や友人に愚痴を言うだけ?
職場いじめは苦しいけれど、会社を出れば家族や友人といった味方がいるのは心強いことです。
会社ではいじめられていても、家族や友人は自分のことを受け入れてくれますからね。
職場で理不尽ないじめや嫌がらせを受けていると、つい愚痴っぽくなってしまう気持ちもわかります。
話を聞いてくれる家族や友人に会社の愚痴を言って、ストレスを発散したいという人もサラリーマンには多いですからね。
しかし、愚痴を言っているだけでは何ひとつ現状は変わりません。
家族や友人に職場いじめの愚痴を言うことで、たしかにその場ではスッキリするかも知れませんが、何の解決にもつながらないというわけです。
単なる愚痴ではなくて、職場いじめについて家族や友人に相談する分には構いませんけどね。
また、いつも愚痴ばかりだと、家族や友人に不快な思いをさせてしまいますし、関係を良好に保ちたいのであれば、愚痴は控えて相談したほうが良いでしょう。
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職場いじめを回避する方法
職場でいじめられないというのは、何気に重要だったりします。
とくに人手不足や業績不振が続いていたり、離職率の高い職場ではピリピリとした空気が流れていて、他人のちょっとしたミスを過剰に責めたり、言葉が攻撃的だったり、職場いじめにつながりやすい環境が出揃っていますからね。
いじめられているわけではなくても、ちょっとしたミスを突かれて、オロオロした態度を取ってしまうとその日から嫌がらせがはじまるなんてことも否定はできません。
運悪くブラック企業に就職してしまったり、ブラック部署に配属されてしまった場合、いかにいじめられないように立ち振る舞うかが重要です。
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コミュニケーションの取り方を見直す
職場いじめを回避するための鍵となるのは、コミュニケーションだったりします。
苦手な上司や先輩社員、馬が合わない同僚、接し方がよくわからない部下や後輩とのコミュニケーションが発端となって職場いじめや嫌がらせに発展する場合もありますからね。
- 上司や先輩社員に対する態度や言葉遣い
- 同僚との仲間意識
- 部下や後輩社員に対する気づかい
- 自分の意見をしっかりと持っていて主張できるか?
- 周囲の人たちに対して協力的か?
- 笑顔であいさつできているか?
職場いじめを回避するには、コミュニケーションの取り方を見直す必要があります。
合わせて以下の関連記事もお読みいただくと良いでしょう。
いつでも転職できるようにスキルを磨く
理不尽ないじめに嫌でも耐えて現在の職場にしがみつく理由として、会社を辞めたら路頭に迷うのではないかという不安が挙げられます。
また、転職するにしても経験が浅いと自信が持てなかったりする場合もあるでしょう。
裏を返すと、特別な技術を持っていて他の企業に必要とされる人材になれば、無理に耐えることもなく転職することでいじめからも開放されるということです。
少し極端な話ではありますが、もし職場でいじめや嫌がらせを受けても、いつでも転職できるようにスキルを磨いておけば、現在の職場にしがみつく必要もなくなるので心強いというわけです。
また、スキルを磨いて実績を積むことは、いじめ加害者にとって脅威だったりします。
スキルアップして結果を出すことによって、いじめ加害者が手の届かない領域に達することが、ある意味仕返しにもつながるということです。
状況によっては、あまり現実的ではない対策かも知れませんが、頭に入れておくと良いでしょう。
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職場でいじめにあった時の対策
実際に職場でいじめや嫌がらせを受けてしまっている場合の対策方法については、以下の方法が一般的です。
職場いじめの対策方法
- 社内および社外の専門機関に相談
- 部署異動の申し出
- 一時的に休職
先ほど職場いじめはひとりで抱え込まないと書きましたが、会社というのはどうしても上下関係や利害が絡んでいたりするため、とくに立場の弱い人間だと自分ひとりで解決するのは難しかったりします。
また、職場いじめというのは決して個人間ではなく、企業全体の問題でもあるわけです。
企業の問題を監督する機関が各都道府県に設置されているのも、そのためではないでしょうか?
職場でいじめや嫌がらせを受けてしまった場合の対策として重要なのは、自分以外の人や専門の機関に協力してもらうことです。
職場いじめは、社会として取り組む問題ですからね。
職場のいじめや嫌がらせを社内および社外の専門機関に相談
職場いじめや労働トラブルについての相談窓口は、会社内にも設置されている場合がほとんどです。
いじめ加害者が自分よりも目上の上司や先輩社員だったら、立場的にも意見しづらいと思います。
そんな時、会社内に設置された相談窓口を利用すれば、プライバシーも保護されるので安心して現在起きているいじめの実態を会社に報告できます。
また、会社内では解決に至らなかった場合でも、労働基準監督署や労働局といった公的機関に相談することも可能です。
ただし、こういった労働者のための相談窓口が必ずしも職場いじめを解決してくれるとは限らないので、過度な期待は抱かないほうがいいかも知れません。
職場いじめの相談窓口については以下の関連記事でまとめています。
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職場いじめを弁護士に相談して法的措置をとる
社内および社外の機関に相談しても一向に職場いじめが止まらない場合、弁護士事務所に相談して法的措置をとるという対策もあります。
いじめ加害者による嫌がらせに違法性があれば、証拠を集めてその実態を立証することも可能です。
もちろん、訴訟を起こすとなると弁護士費用もそれなりにかかりますが、いじめの加害者に対して賠償請求することができます。
もし弁護士事務所への相談を検討しているようであれば、以下の関連記事を参考にしてみてください。
部署異動の申し出をして労働環境を変える
同じ部署内でいじめや嫌がらせを受けている場合、会社側に部署異動を申し出て無事に異動が決まれば、加害者と物理的な距離ができるため、いじめを回避できます。
しかし、必ず異動できるとは限りません。
いじめや嫌がらせを受けた被害者とはいえ、感情的になってしまうと結果的に損することも多いのでご注意ください。
部署異動を申し出る際には、慎重に行動する必要があります。
もし現在の部署内でいじめや嫌がらせに困っていて、部署の異動を検討しているのであれば、以下の合わせて以下の記事も参考にしてみてください。
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職場いじめは異動で回避?部署異動の申し出をする時の手順と注意!
職場いじめというのは、配属された部署の狭い人間関係の中で起こる場合がほとんどだったりします。 同じ部署内にいじめの加害者がいると、毎日が憂鬱になります。 「許されることなら、この人とは一切関わりを持ち ...
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一時的に休職する
職場でのいじめや嫌がらせが原因でうつ病を発症したり、体調不良になった場合、病院で診断書をもらって会社に提出しましょう。
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職場いじめでうつ病に?我慢は危険!ストレス過多に注意!
職場でのいじめや嫌がらせが原因でうつ病を発症する人は、多いと言われています。 そして、一般的に仕事のストレスによるうつ病の発症には以下のような原因が挙げられます。 パワハラや嫌がらせ・無視などの職場い ...
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会社によっても違いますが、基本的に一定期間休職する場合、医師の診断書が必要です。
産業医に診断書を書いてもらうと、休職の手続きがスムーズにいくことも多いようです。
ただし、休職については以下のような注意点があります。
- 休職中は定期的に会社への連絡が必要な場合もある
- 休職中に支給される給与については就業規則によって条件が異なる
- 休職制度は法律で定められていないため、そもそもない会社もある
- 休職が長期化すると会社側から解雇される可能性もある
休職制度は法律で定められているわけではなく、企業が個々で取り入れているだけなので、会社側によって制限があったり、そもそも休職できない場合もあるということです。
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職場いじめがどうしても解決しない場合は最終手段!
- 社内、社外の相談窓口にも訪れたけどダメだった・・・
- 信頼できる人にも相談はしてみた
- 弁護士事務所にも相談したけど難しいみたい・・・
- 部署異動は却下
- 休職するほどでもない
自分なりに手を尽くしたけれど、残念ながら職場いじめを解決するには至らなかった…ということもあるでしょう。
もうこれ以上、どうにもできないのであれば、最終手段として退職という選択肢も頭に入れて行動したほうが良いかも知れません。
会社を辞める前に!
退職後の生活費が不安でしたら社会保険給付金を申請しましょう。
失業給付は通常3ヶ月しかもらえません。
しかし、社会保険給付金は20ヶ月以上もらえる可能性があります。
給付金を受給できれば、金銭的に余裕をもって新しい仕事を探すことに専念できます。
個人で給付金をフルで受給するのは、難しいかも知れませんが、その場合はプロの手を借りましょう!
給付金の受給には、プロの手を借りた方が効率的です。
このまま今の職場に居続けても、明るい未来が描けないというのはあまりにも絶望的です。
もちろん無闇に退職を勧めるつもりはありませんが、状況によっては現在の会社を見限って、新しい仕事に就いたほうが将来のためだったりしますからね。
とはいえ、実際に会社を辞めるとなると、退職までの道のりは思った以上に険しいというのが現状だと思います。
参考
上記の関連記事でも触れているとおり、退職することを上司に報告したり、各種手続きなどもあって、辞めるといえばすぐに退職できるわけではありません。
職場いじめに苦しんでいるのであれば、当然、嫌いな上司と話し合って退職を切り出さなければならない場合もあるでしょう。
退職を切り出した途端に職場の人たちの態度が急変するといった話も聞きます。
もしかしたら、ここで退職をあきらめて、いじめや嫌がらせに耐える日々を繰り返してしまう人もいるかも知れません。
しかし、現代の世の中にはそんな弱者にとって便利なサービスがあるものです。
退職代行サービスを利用すれば、嫌な上司や同僚と顔を合わせることもないですし、会社に連絡して退職の意思を告げる必要もありません。
退職代行を依頼したその日から出勤不要、連絡など一切不要、退職手続きが完了するのを待つだけです。
最近では、退職代行サービスを利用して会社を辞める人も増えていて、代行費用も以前よりもだいぶ安くなりました。
職場いじめ被害者にとって退職代行サービスは、心強い味方です。